美容師用 専門的にもっと詳しく
前置きとして
ここではホームページを見てくれる美容師や理容師などの
同業者の方に向けて詳しく説明しています。
薬剤レシピなどはそれぞれのサロンで使われてるものがある
でしょうから、公開しておりません。
内容は縮毛矯正 ラウンド矯正 毛先にニュアンスカール
コテパーマ クリープパーマ デジタルパーマなどについて
随時更新していきますので、お気に入りかリンクページから
リンクを貼っていただけると幸いです。
なお、ここで記載してることは縮毛矯正専門店ASエースで実際
に取り扱ってる技術です。技術にはそれなりの訓練が必要になります。
訓練なしで技術提供されると技術的ミスを犯してしまうことが
あります。その際の責任はあくまでも技術者の自己責任となり
ます。ですので、あくまでも参考程度にとどめておいてください。
縮毛矯正
ファーストカウンセリング
・お客様の希望をお聞きする。
・今回どういうスタイルにしたいのかはもちろん、今後して
いきたいスタイルなども聞いておくとよいです。
・部分ストレートなどもこのときに聞いておきます。
毛髪診断・・・ドライの状態
・ウェットにする前にドライの状態でのクセや毛先の戻り
具合、ダメージと部分的な髪の細さなどを確認する。
・親水性(吸水毛)か疎水性(撥水毛)を確認する。
親水性(吸水毛)なら弱い薬剤でも伸ばせることになる。
・カラーの履歴も確認しておく。状況によっては先にカラー
でリタッチしたほうが、矯正のリスクが少なくなることが多い
ため 。
・毛先にビビリがないかどうかもドライの状態でチェック
する。
毛髪診断・・・ウェットの状態
・ウェットで既矯正部が絡まってコーミングしにくいときは
毛先に薬剤を塗布すると状態が悪くなることがあるので、
ウェットでは絡まり具合もチェックする。もちろんドライの
状態のときと比較することを忘れないように。(クセの
戻りや疎水性など)
・クセ毛に影響してるのがS-S結合か水素結合かも確認
しておく。
・1本の毛髪を引っ張ったときの伸び具合が2倍近く伸びる
場合も薬剤塗布を控えることが多い。
セカンドカウンセリング
・ドライとウェットでの毛髪を確認したら、お客様の希望の
スタイルに合わせた施術ができるかどうか判断して、
お客様と相談する。
・リタッチや部分的なストレートでいいと判断したらお客様
に伝えるようにする。
薬剤選定
・縮毛矯正専門店ASエースでは、アルカリ性 中性 酸性を
バランスよく分けてます。薬剤のラインナップは医薬部外品系
と化粧品系と合わせて、20種類近くなる薬剤を使い分け
ます。
・還元剤もチオ、システアミン、チオグリセリン、ラクトンチ
オールを使い分けます。これを前提とした薬剤選定をします。
・極端に長さをカットしたりスタイルチェンジする場合は先
にカットするほうがいいです。
・バージン毛でも毛髪の強い部分や弱い部分があること
を理解して薬剤を選定する。矯正未処理毛でも薬剤の
強さを変えることがほとんどになります。
・パワーダウンさせるべき部位はネープ、表面、コメカミ
モミアゲとなるがイヤーズイヤーより前をすべてパワー
ダウンさせることも多い。
その場合はバックぼんの窪だけのパワーをあげてる
ことになる。基本的に矯正で一番伸びにくいのは、バック
のぼんの窪辺りになる。(これは髪の強度的な意味です。
技術的に伸ばしにくいのはもみあげやフェイスラインの
細い髪が生えてる部位です)
・グレイカラーをされているお客様なら薬剤の選定は特に
注意が必要になります。
薬剤塗布の注意点
・新生部の薬剤塗布は既矯正部に少しオーバーラップ
させる。オーバーラップする部分の塗布量は少なく。
・基本的には根元1センチほどあけて薬剤塗布する。
根元には薬剤をつけない。
・薬剤塗布した時点から還元していくので、すばやく
塗布する。 ひとりで薬剤塗布すると、20分~30分
近くの塗布時間を必要とするかと思います。
塗布するのに、20分~30分かかって、なお放置タイム
を20分~30分置ける薬剤を選定します。
(20分~30分放置して 、過還元しない薬剤を選ぶ)
・2人で塗布する場合は2人ともバックから塗布し、お互い
塗布量と塗布幅を確認しながら塗布していく。2人で塗布
することはおすすめできませんが、どうしても2人で塗布
するなら、最後にバックのセンターと両サイドの塗布量を
をチェックしてください。特にバックのセンターは塗布が
甘くなりやすいです。
・刷毛だけでなく左手で揉みこみながら塗布する。
・毛先に既矯正部がある場合、手についた薬剤はパネル
ごとにタオルで拭き取り、毛先に新生部の薬剤がつかな
いように注意する。
・既矯正部に薬剤塗布するときは毛先が絡まりやすくなって
る場合もあるので、テンションに気をつける。
軟化チェック 還元チェック
・まず新生部の薬剤塗布後、少量の毛束をとり、折り曲
げたり、指に巻きつけたりして弾力を確認しておく。
・毛髪1本の伸び具合も確認しておく。
・10分ほど放置してからの軟化チェックでは塗布後すぐ
の弾力と比較することになり、ここで最終的な放置時間
を決めるとともに、毛先の薬剤塗布にはいる。
毛先に塗布した場合も同じように、弾力を確認しておく。
・適正に矯正するには、8割軟化を目安にするとよく言われ
ますが、どの程度で8割なのかって微妙ですよね。。。
少量の毛束を折り曲げたときに、戻らないで折れたままの
状態になるか、毛髪1本を引っ張ったときの伸び具合を
を確認します。ただ、これだけで判断すると過剰に還元
する場合もあるので、実際はこれくらいで矯正が成立する
なっていうのがわかるくらい経験が必要な気がします。
・軟毛のチェックは弾力での判断が難しくなるので、毛髪
1本の伸び具合、もしくは放置後の薬剤をふき取ったとき
の色で判断する。
・カラー毛での軟化チェックでは弾力と伸び具合以外に
ふき取った薬剤の色でも判断できる(アルカリ膨潤する
ことで、毛髪の内部で重合していた色素が出る。これは
アルカリで膨潤して内部に還元剤が入っていることに
なる。) 注意点あり
・中性領域や酸性領域の薬剤は還元できても
軟化しない。軟化しないため、弾力を失っていくことで
判断する軟化チェックができない。アルカリ膨潤しない
ため毛髪から出てくる色での判断もできない。
・対策としてはテスト用にロッドを巻いておき、放置後は
ロッドに対するリッジでテストするとよい。
中間水洗
・水洗はネープから流しはじめ、全体をしっかりと流したら
テンションをなるべくかけないようにシャンプーします。
その際、毛髪内部に残っているかと思われる 還元剤や
アルカリ剤を押し出すように軽く揉む。ここではPHを
コントロールする処理剤の使用はしないで被膜効果の
ある処理剤を使用します。
水洗後のチェック
・還元がしっかりできている場合はウェットの状態でストレート
になっているので、軽くコーミングしてクセが残っている場合 は再塗布したり、アイロンワークで工夫する。
・酸性~中性の薬剤を使用した場合は還元が適正にできて
いてもクセが残ってみえることもある。
ドライとブロー
・アイロンワーク時にウェットの状態ではビビリができやすい
のでしっかり乾かすことが必要。ただし、オーバードライ
にならない程度に乾かす。毛髪内部に15%前後の水分
は必然的に残っているものなので、普通に乾かして
触って、乾燥してる状態で80%ドライと考える。
アイロンで毛髪内部に残っている、15%前後の水分に
影響することで矯正は成り立つので白茶けるほどの
ドライは控える。
・ブラシなどを使わずに乾かしてアイロンワークに進んでも
矯正は成り立つが、根元の立ち上がりや方向性が不自
然に仕上がりやすいので、ツインブラシやロールブラシを
使用して、立ち上がりと方向性をコントロールする。
・毛先に丸みを出したいときは、ブローもロールブラシで
丸みをもたせる。
・ツインブラシはテンションがかかりやすく、お客様に不快
感を与えやすいので、テンションやスライスのとり方に
注意する。
・ドライすることで、クセが強くでる髪(水素結合に強く影響
を受けてる)はハーフドライせずに、完全ウェットからツイ
ンブラシでブローする。
・ドライしても、強くクセが出てこない髪(S-S結合に強く影
響を受けている)はドライしてから立ち上がりと方向性
だけコントロールする。
アイロンワーク
・ブローと同じでパネルはオンベースで放射線状に引き出す。
・スライスは基本5ミリ~1cm未満。剛毛は薄いスライス、、
薄毛はスライスを厚くする。
・基本プレスしないでスルーさせていく。スルーはゆっくり
1スルーか2スルーで過剰に熱をあてない。
・毛髪は最初のアイロンワークでほぼ形が決まるので、
1スルー目で折れたりしないように。
・毛先の量が少ない場合は2~3パネル集め、厚みを
もたせる。
・アイロンワークで大切なことの1つは自分の手にアイロンを挟ん
んでいるテンションを感じること。パネルの毛束が少ない
とアイロンの中で毛束が動き、ビビリ毛になったり、伸びな
かったりする。 ただ、このときのテンションはお客様が不快
に思わないくらいの力加減にします。
・パネルを集めても毛束が少ないときはアイロンのプレートに
布をあてるなどの工夫をして、しっかりはさめるようにする。
・フェイスラインによくある細い髪は布をあてた、アイロンなどで
丁寧に伸ばす。
・アイロンを通しても蒸気が出ない場合は、アイロンの温度が
下がっている可能性があるので、たまにチェックする。
ここまでの技術が縮毛矯正専門店ASエースの基本の矯正です。
これを踏まえて、次に記載するラウンド矯正などを行っていきます。